それは全国的に顕著にみられます。例えば関東の和型は棹石の幅と奥行きは同じ寸法ですが、東北では幅と奥行の寸法を変えてつくり、東北の黒とは逆に関西では白御影石で建てる方がほとんどです。これらの理由は、信仰や宗教的なもの、とりまく地域環境、慣習や風習などがあげられ、無視できないものが少なくありません。
宮城県内でも同様に、お墓の構成や主要材質、墓地の土質などが各地によってことなるため、建てる場所の特性を知っていたほうが安心です。遠方の石材店に依頼した場合等には、完成後に周囲と違うことに気が付き、トラブルとなることも実際にあるからです。
必ずしもすべて右にならうことはありませんが、ある程度合わせたり、参考にして部分的に取り入れたりといったことが必要な場合があります。
墓石の基本構成は「石塔」、「法名碑」、「無縁塔」。しかし、お地蔵様を無縁塔と一緒に、または別に建てることが少なくない。また、墓地が広いこともあり、灯籠や名刺受、物上台といった付属品を置く墓所が他地域よりも比較的多く見られる。
墓所が狭いので、「石塔」だけの場合が多く、「法名碑」や「塔婆立」等の必要なものは、墓所内に「置く」のではなく、外柵に「組み込む」などの工夫が設計時に求められる。同様に最近では「ベンチ」や「収納庫」等の組み込み、機能性をも付加する傾向がある。
墓所の平均的な大きさは県北と仙台の中間程度で、基本的は「石塔」と「法名碑」が墓石を構成する。また、温暖な気候により凍害が少ないことや、地元の石が産出されていることが影響してか、良質の石材でつくられたお墓が数多く見受けられる。
価格、耐久性、機能性等の実質的な評価から、ご家族の思いや人生の軌跡等の内面的に受ける感覚まで位置付け、表現されるので、お墓づくりの「核」ともいえる重要なものです。しかし、どちらとも無数の数があり、一般的には優劣の判断がつきにくいことから、お墓を建てる際に迷ったり、建てること自体に躊躇することが少なくないようです。
地球上の石は数万種存在し、お墓に適した石だけでも数千種かぞえられます。その中から、本当に良い石を見分けたり、自分にあった石を探すことは一般の方々には困難ですが、石材店は研鑚を重ね、石を見る目を養ってきました。そのプロの目と経験で用途別に選出した安心できる石を次にご紹介します。